J-REITの見通しは暗い？

 

ここのところは、

米国の追加利上げを意識する動きで円安基調になっていることもあってか、

日経平均は17000円台を取り戻し堅調な値動きとなっています。

 

それに対して、

J-REIT市場の動きは思わしくありません。

 

小幅な下げながらもジリジリと下げを続けており、

少し前には、東証J-REIT指数で節目の1800ｐｔを割り込んでしまっています。

 

 

要因の一つとして、

金利が上昇している点があります。

 

米国の追加利上げが年末に実施されそうだという市場の思惑で、

世界全体の金利は上昇してきており、日本も同様です。

 

金利上昇は円安要因となるので、

いまのところ日本株にとっては良いことなのですが、

J-REITにとってはあまり良くありません。

 

 

さらに国内の事情としては、

日銀による金融政策の変化が挙げられます。

 

とくにマイナス金利の深掘りはJ-REITにとって追い風だったのですが、

ここ最近の日銀は追加緩和に消極的な姿勢を取り出しており、

金融緩和を追い風として上昇していたJ-REITに失望感が出てきたと考えています。

 

金融機関がマイナス金利の副作用で収益悪化の影響が出ており、

このことを日銀も最近は認める傾向にあり、

マイナス金利の深掘りはなかなか踏み切れないという事情があります。

 

そして最近おこなわれた追加緩和としては、

日銀によるETFの買い入れ増額がありますが、

これまでJ-REITの買い入れ増額とセットだったにも関わらずJ-REITの買い入れ増額をしなくなってしまいました。

 

J-REITに対する積極的な買い支えを控えていることは明らかなのですが、

日銀が出しているレポートでも不動産価格に対して注視しているということを公表しています。

 

消極的というより、むしろ抑制したいと思っているのではないかとさえ思えてきます。

 

 

国内外の金利情勢に加えて、

不動産市況に対する過熱感への懸念。

 

これらの相場環境だけでなく、

日銀などの政策に対する方向性。

 

 

現状ではJ-REITが上昇する要素が見当たりませんので、

しばらくは低調な相場状況が続くのではないでしょうか？